いざ、病院へ
「ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン…」
会社の定時チャイムが鳴ったので、いそいそと帰宅の準備をする。
「今日は呑みに行かないんですか?」
「ちょっと今日は用があるので、お先に!」
同僚からのお誘いを、後ろ髪引かれる気持ちで断ると、さっそく病院へ向かう事にした。
病院へ着き、受け付けの看護士さんへにんにく注射の事を伝えると、 馴れた手付きで「名前やアレルギーについての記入をお願いします」とシートを手渡された。
(えーっと、今までに大きな病気はしたことがある? 無し…と)
シートへ記入しながら暫く待っていると、名前を呼ばれ、院長先生の前に通される。
先生は、にんにく注射の効能や成分が書かれている紙を見せながら説明を始めた。
- にんにく注射とは…
- 平石クリニックの先生が命名された「ビタミンB群を中心とした静脈注射」
- にんにく注射とはあくまで通称で、別ににんにくが入っているわけでは無い。
- にんにくに多く含まれているビタミンB1やアリシンを注射する。
- 全身疲労や倦怠感、肩こりや風邪の初期症状改善などに有効。
- 成分は身体から排泄されやすいので、定期的に取る事が理想。
- 受けている時ににんにく臭を感じるが、外には漏れず、また、すぐ消える。
- 費用は自費料金(保険適用外)。
説明を終えると、「それでは注射にしますか? 点滴にしますか?」と問われた。
少し思案したが、どうせ受けるならば効く方がいいだろうと、点滴を選んだ。
すると先生から「点滴室へどうぞ」と廊下の先を指された。
点滴室へ入ると、看護士さんが「ベットへ横になってくださーい」と声をかけながら、
テキパキと点滴の準備を進めていく。
「点滴を受けている間、にんにくの臭いがします。
人によっては結構強い臭いを感じる場合があるので、気分が悪くなったら呼んでくださいね」
捲り上げた腕にアルコール消毒をしながらそう説明を終えた。
俺、にんにくの臭いちょっとニガテなんだよなぁと思いながらも、 「わかりました」と看護士さんへ伝える。
「では少しチクっとしますねー」(プスっ)